CleanShot X から Snapzy へ移行した話 — 無料の OSS スクリーンショットアプリ

長年使ってきた CleanShot X から、OSS のスクリーンショットアプリ Snapzy に乗り換えました。

機能はほぼ同等なのに完全無料で、複数台の Mac に入れられるのが決め手です。

はじめに

以前書いた 📄Arrow icon of a page linkCleanShot X v4.8で遂にWebP対応! では、アップデート料金 $19 を払うかどうか…という話を書きました。

その後アップデート期間が切れ、しばらく更新せずに使っていたところで Snapzy を見つけました。

この記事では、CleanShot X と Snapzy の違いと、Snapzy の方が良いと感じた点をまとめます。

CleanShot X で気になっていたこと

CleanShot X は Mac のスクリーンショットアプリとして定番で、私も長く使ってきました。

価格は Mac 1台あたり $29 の買い切りで、1年間のアップデートと 1GB の CleanShot Cloud が付いてきます。

1年を過ぎるとアップデートは年 $19 の任意更新で、払わなくても手元のバージョンはそのまま使い続けられます。

私の場合、新機能は特に必要なかったので更新せずに使っていました。

地味に不便だったのが、ライセンスが Mac 1台ごとという点です。

デスクトップとノート PC の両方で使うには追加のライセンスが必要(2台用は $49)で、結局メインの1台でしか使っていませんでした。

クラウド保存も CleanShot 独自のクラウドなので、保存先を自分で選ぶことはできません。

Snapzy とは

Snapzy は、ベトナムのエンジニア Trong Duong 氏が開発している macOS 向けのスクリーンショット&画面収録アプリです。

README にも CleanShot X にインスパイアされたと明記されていて、機能の構成はかなり近いです。

ライセンスは BSD 3-Clause の OSS で、完全無料です。

対応 OS は macOS 13 以降で、Homebrew から入れられます。

brew install --cask snapzy

初回起動時に「画面収録」の権限を求められるので、システム設定で許可してから再起動します。

(ここに画像:Snapzy の Quick Access パネル)

CleanShot X と Snapzy の違い

主な違いを表にまとめました。

項目 CleanShot X Snapzy
価格 $29 買い切り(Mac 1台)+更新は年 $19 無料
複数台での利用 台数分のライセンスが必要 制限なし
クラウド保存 CleanShot Cloud(Basic は 1GB) 自分の AWS S3 / Cloudflare R2 / Google Drive
スクロールキャプチャ あり あり
OCR あり あり(標準はオンデバイス処理)
画面収録・GIF あり あり
注釈・ぼかし あり あり(機密情報の自動マスクも)
ソースコード 非公開 公開(BSD 3-Clause)

普段使う範囲では、機能面で困ることはほぼありませんでした。

完全無料なのにここまで揃っているのは、正直ちょっと驚きです。🫢

Snapzy が優れている点

1. 無料で台数制限がない

一番大きいのはここです。

デスクトップにもノート PC にも、気兼ねなく同じアプリを入れられます。

CleanShot X で「片方の Mac だけ」になっていた不便さがなくなりました。

2. 保存先のクラウドを自分で選べる

Snapzy のクラウドアップロードは、自分で用意した AWS S3 や Cloudflare R2 のバケットに上げる方式です。

第三者のサーバーを経由しないので、どこに画像が置かれているのかがはっきりしています。

認証情報は macOS のキーチェーンに保存され、アップロードした画像の自動削除(1〜90日)やカスタムドメインも設定できます。

以前 📄Arrow icon of a page linkDropover から Cloudflare R2 に上げて、カスタムドメインの URL をクリップボードに載せるまで でスクリプトを組んでいた流れが、アプリ単体で完結するようになりました。

flowchart LR
  A[Snapzy でキャプチャ] --> B[Quick Access]
  B -->|⌘U| C[Cloudflare R2]
  C --> D[カスタムドメインの URL]
  D --> E[ブログ / チャットに貼る]

3. 設定を TOML で持ち運べる

設定を ~/.config/snapzy/config.toml にエクスポート/インポートできます。

dotfiles と一緒に管理しておけば、別の Mac でも同じショートカットや保存設定をすぐ再現できます。

複数台で使えるようになったからこそ、地味に効いてくる機能です。

4. 自動化しやすい

snapzy:// の URL スキームが用意されていて、Raycast や Alfred、シェルスクリプトから各機能を呼び出せます。

# 範囲キャプチャ
open 'snapzy://capture/area'
# スクロールキャプチャ
open 'snapzy://capture/scrolling'
# キャプチャ履歴を開く
open 'snapzy://open/history'

Raycast には公式の拡張機能もあります。

5. テレメトリなし・コードが読める

README には、テレメトリを一切収集しないと明記されています。

OSS なので、気になればコードを読んだり、自分でビルドしたりもできます。

注意点

個人開発のプロジェクトである

GitHub のスター数は 3,000 を超えていて活発に開発されていますが、もともとは個人のプロジェクトです。

紹介記事でも細かなバグはまだあると書かれていて、CleanShot X ほどの完成度を期待すると引っかかる場面があるかもしれません。

サンドボックス外で動く

README の Security の項目によると、Snapzy は App Sandbox には入っておらず、ユーザー権限で動作します。

Hardened Runtime が有効で、Developer ID 署名と Apple の公証も受けているとのことです。

とはいえ、画面収録の権限を与える以上、画面に映るものはすべてアプリから見える状態になります。

アップデートも Sparkle 経由で自動で入ってくるので、どこから入手したバイナリなのかは意識しておきたいところです。

非公式フォークに注意

人気が出たことで、GitHub には非公式のフォーク版もいくつか出てきています。

インストールは公式リポジトリ(duongductrong/Snapzy)か Homebrew からにしておくのが無難だと思います。

https://github.com/duongductrong/Snapzy

まとめ

CleanShot X から Snapzy に移行して、機能面で困ることはほとんどありませんでした。

無料で複数台に入れられること、保存先を自前の S3 / R2 にできること、設定を TOML で持ち運べることが、私にとっては大きな利点です。

CleanShot X の完成度は今でも高いので、どちらを選ぶかは好みの問題だと思っています。

生成 AI でソフトウェアの開発が誰でも簡単に出来るようになったので、このような OSS で公開されることは望ましいですが、その反面、セキュリティには気をつけたいと思います。